星麻呂のまーちゃん ウェルシュコーギー

私が中学生の頃、隣の家で 2 匹生まれた兄妹のお兄ちゃんの方を貰いました。

星麻呂(ほしまろ)と名付け「まーちゃん」と呼びました。

それまで外で飼う犬は一度飼ったことがありますが、
室内で飼う犬は初めてでした。

始めは室内犬は苦手だと思っていた私も、
すぐにまーちゃんの可愛さに気付き、虜になりました。

私が元気がない時には自然と近くに来てくれて、
いつも私を慰めてくれました。

私が胡坐をかいていると、その足の中に図々しく入ってきては
『体をかいておくれ』と要求してきました。

海では砂浜を元気に駆け回ったり、必死に砂浜をほじる穴掘り名人っぷりを披露したり、雪の日には犬らしく、元気に喜び駆け回っていました。

まーちゃんはもう、飼っているペットではなく、「家族」となっていました。

犬の 1 歳は人間で言えば 15 歳。
その後は 1 年ごとに 4 歳年を取るといいます。

小さいころは写真も嫌がらずに撮らせてくれましたが、年を取るにつれて徐々
に嫌がるようになり、気がつけば陰険な顔でしか写真に映らなくなっていました。

散歩に行こうと言っても、
『今日は外に行かなくていいよ』という顔をするようになりました。

私も社会人になり、まーちゃんはもう 13 歳になっていました。

人間で言えばもう 60 歳を過ぎたおじいちゃん。

若い頃のように飛び跳ねることも少なくなり、
病気がちになって、日に日に弱っていくのがわかるようになりました。

犬の寿命は一般的に 12〜16 歳、仕方がない事だと少し覚悟はしていたのですが…

2013年11月4日。ついに、「その日」が訪れました。

その日の朝、ぐったりしているまーちゃんを抱いて車で病院へ向かいました。

急患として優先してもらいましたが、
間もなくまーちゃんは私の目の前で静かに息を引き取りました。

覚悟はしていたつもりでしたが、自然と涙が溢れていました。
病院を出て車まで、動かなくなったまーちゃんを抱いた感触は今でもこの手に
残っています。

犬は楽しい時、嬉しい時に尻尾を振りますが、
コーギーは身体の割に尻尾が長すぎるので生まれてすぐに切ってしまいます。
尻尾のないおしりをふりふりふりふりする仕草がとても可愛かったのを、
よく憶えています。

まーちゃんは私たちを憶えていてくれるだろうか。
素敵な 13 年間をありがとう。

わが家の柱には、
まーちゃんがガシガシかじった齧り跡が今でもくっきり残っている。

Oka

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